124回読書会 「なじみの店」池内紀・著2001みすず書房

25編からなるエッセイ集である。
どの1編をよんでもすんなりと胸に入ってきて
楽しかったという感想が参加者から寄せられた。
著者の池内氏は昭和15年生まれであるから生まれ
育った時代背景や教育からの影響というものが
共有するということで書いておられることにも
共感を持てるのであろうか。生活の態度や好みも
だれからも支持を得られるものである。
{一畳間の天下}{なじみの店}{宿とカンコ鳥}
{商いの不思議}{ズドンのおじさん}{医者と幼児語
{虫の知らせ}{いいかげん}{定刻十分前}などの
章が話題に上った。これらの文章は月刊「現代」講談社
に1998年から二年にわたって連載されたものが中心と
なっているそうだ。この月刊誌は今年の12月号で休刊と
なる。この「なじみの店」は埼玉福祉会発行の<大活字
本>も貸し出してくれたのでこれが当たったひとは
読み易くてよかったと喜んでもらった。池内氏の(旅の
エッセイ)も読んでみたいとの声もあった。このたびの
選書のときも悩んだ。旅関係にしようか。そのほかのに
しようかと。お好みにもよるが20代くらいの方には
この”しぶさ”はまだ理解しがたいのでは?