*道頓堀のもと”くいだおれの”「くいだおれ太郎」のあの人形は、
由良亀2代目さんの考案・制作ですと3代目藤本玉美氏から最初の試作
の顔・首全体を指し示しながら、お聞きした。一番最初はエノケン
自転車に乗って出前にいく姿を作ろうとしたそうだ。それから、文字
どうり試行錯誤されて、チンドン屋の格好になったそうだ。2代目さん
からの引継ぎは長兄さんがお腹の中の機械関係をお姉さんが洋服を年
に2回着せ替えたり、国家的な大きなことがある時は赤になったり黒を
着せたりとそれも権利で自分には回ってこなかったと笑いながら、話して
くれたのを、昨日のように思い出す。今ではひながたの人形まで売っていて
身近な存在です。これも文楽の人形師さんが手がけた大阪ならではの文化
ではないでしょうか。このお話をお聞きしたのは、その時いっしょにお邪魔
した3〜4人だったように記憶します。3代目さんの晩年にはたしか相愛短大
の先生が学生や社会人にもと呼びかけて「文楽の人形のかしらを作りましょう」
と教室を開設したら、何百人もの応募があって、と藤本さんが苦笑まじりに
話されたのもはっきりと覚えている。