真夏日の昼下がり、炎天下に読書会のメンバーさんは集まってくださいました。

第160回 「蛻 もぬけ 」犬飼六岐・著  2010年 6月刊

全頁 299ページ ページ数にしたら多い方だ。 実在した偽りの町。尾張藩江戸下屋敷内に実在した「御町屋」とよば

れた宿場町。かき集められた偽りの住人たち。その住人たちはすべて”わけあり”のひとびと。3年の期限が空けたら

いくばくかの少し高めの褒章をもらえることを約束してもらっているので、それを目当てに我慢して、生活をしている。

そんな空疎な日々のなかに、殺人事件が二つ起こる。 その時代の暮らし向きの描写があるので当節の平成時代の生活

の話から、今朝(7月18日)NHKのあさいちで取り上げていた「生活保護」の大問題が読書会の話あいの中へ割り込んでき

た。尾張藩徳永宗春の生きた時代(1696〜1764年)と今とを比べるべきかどうか判断に困るが、尾張の殿様は金融も暮ら

し向きも緩和政策をとったため、華やかに、それなりの発展をみた。一方幕府方は引き締め政策、質素倹約を奨励した。

インターネットで徳永宗春を引いてみたら8枚でてきた。ひととおり読んだらなお御町屋の様子と結びつく点もあったりと

おもしろいこと 必定です。 小説に書かれている御町屋の全地図に商売の種類と住人の名前を作図しておられる

熱心なメンバーさんがいらっしゃることを書き加えたい。長編時代ミステリー、2011年第144回直木賞候補作品です。