*第144回読書会 「吉原手引草」松井今朝子幻冬舎2007
「おめでとう。今年もよろしく」で始まる。
”吉原”という遊里が舞台である。世間から隔絶した特異な
世界での物凄い事件の顛末を一部始終書いている。
吉原で右にでる者がないほど、すぐれた、”花魁”の葛城さん
の物語。やはり(直木賞)作品は娯楽作品である。
一風変わった筋運びのため、最後はどうなるのか、判らないので
後ろをみたいのでみてみたが、答えがでるものではない。
そこんとこが巧妙である。作者の力量といえるだろう。
読んでいるうちに、<おいらんの”しゃんせ”ことば>がうつり
そうだ。父と兄の仇き討ちに”郭”中の人間が加担するはなし
と私は読んだ。よーく調べて書いていると思う。おもしろい。