*第149回読書会「三毛猫ホームズ文楽夜噺」赤川次郎桐竹勘十郎監修
                 角川書店 平成22年10月
 選書の理由(1)「大商ニュース」に<大阪検定>1級合格のT氏が書いて
 おられる。<文楽>は大阪で発祥した伝統芸能である。作家の赤川次郎
 は見たい演目がかかったら用事がなくても、見る為にだけ来版するほどの
 大の文楽フアンで文楽に関する読物を何作か出している。
 また (2)「婦人大阪」4月号の推薦図書欄にもこの作品が紹介されていた。
私は安倍晴明のことを、いや晴明さんの内容の「蘆屋道満大内鑑」以来見て
いないし日本一の文楽劇場へは踊りの会かで一度行ったくらいで、ご無沙汰だ。
由良亀三代目以来でかれこれ10年以上も忘れていた。この本は本当によく判る。
ソフトカバーの小ぶりな単行本は手になじみ易い。見開きを開けるといきなり
あでやかな娘の人形の写真が1ページを飾る。物語のすじを語る太夫。音を
奏でる三味線、人形を操る人形遣いそして舞台裏ですべてを支える多くのひと
の様子を(舞台裏探訪記)として前述の各分野の代表の方との対談が読む者
に大変わかりやすく書かれている。各分野の間に(1)から(8)まで8つの
代表演目が解説されている。つまり曽根崎心中から心中宵庚申までそれぞれの
はなしのあらすじと役どころ、見どころを教えてくれる。歌舞伎の演目の元に
なった文楽であるからには歌舞伎フアンも先に文楽を見てほしいものである。
おわりに舞台裏探訪記26ページ。そして本業の面目躍如・小説「女人形添寝の
宿」これが19ページでおわり。  王子書店で積んで売ってます。1365円