*3月の読書会
ごごから冷え込んできて、空もようもいつ
降るかわからない。そんな中を皆さん集まって下さった。
テキスト「イギリス人はおかしい」高尾慶子・著1998年
文藝春秋刊。文庫化は2001、2月 文庫の解説作家伊藤三男
(作家故森瑤子・父親)
読破したメンバーさんは一様に作者高尾さんの活力に驚いた。
この本を読もうと思った選書の理由は来る4月29日にある
英国の慶事に少し興味を持ったことである。英国人の生きかた
考え方に対する鋭い観察眼に驚いてしまう。上流階級富裕層に
浴びせる痛烈な皮肉、庶民層に向けた暖かい眼差し、読みやすく
飾らない文章のあちこちに溢れるユーモアなどを堪能しながら
読み進むことができた。優れたイギリス紹介書であり、痛快な
イギリス人観察書であると思う。特にサッチャー女史に対して
は手厳しく決め付けている。高尾さんは英国のダークサイドを
数々の事例を挙げる一方明るい面も見逃してはいない。
イギリス人のネガテイブな部分を槍玉に挙げてはいるが、この国
を憎んでいるからではなく、彼女が接触した庶民階級の人たちを
心から愛おしく思っているからだということがよく判る。良書と
思う。文庫版570円王子書店置いてます。