*読書会のテキストは宮尾登美子・著「東福門院和子の涙」和子は送り仮名ま・さ・こ
です。東福門院の和子さんは徳川の御世のはじめ武士階級といっても最上位の徳川家から、天皇へ嫁いだお方ですし、もう一人の和子さまは幕末ころ天皇の妹君であって徳川
将軍へ御降嫁された方のお名前です。 400ページ以上の長編でした。同じ宮尾作品
の「天しょう院篤姫」上下はもう少しページ数が多かったと思われます。和子の嫁入りに江戸から付いてきた、女性。身の回りのことなんでもしてさしあげる、ま言うてみれば 使用人です。そのゆきさんのみた和子さんの身辺におこった諸々の事柄を後水尾天
王の日常生活の<奥向き>にだけ焦点をあてて書き連ねている。お女中のゆきさんのほうが年長であるが和子さまより 長命であった。  今もむかしも、身分こそ違え誰に
でも苦労は付いて回る物らしい。身を挺してまもってくれる心丈夫な うしろだてがいてもである。読みやすいし、テンポのよい 好読物とおもいます。